●ネットで成功するための10箇条
1)早く始める
最も大事なのがこれである。あるアメリカの成功者はネットビジネスの秘訣を問われこう答えた「早く始めて売りまくる」。
ネットの世界はドッグイヤーだ。1年は7年に相当する位スピードが早い。早く始めれば始めるほどその間の試行錯誤の経験がビジネスの基盤となっていく。またいち早く顧客に浸透し、ブランドを確立したところが勝者となる。すでにアメリカではこの浸透作戦に膨大な金がかかるようになってしまった。だが日本はまだ間に合う。たかだか1千億円程度の市場規模(消費者向け市場)であり、最高でも年商100億円にやっと届いた程度なのだ。先発企業はまだそれほど先を行っていない。まだ間に合う。逆に言えば今しかチャンスはない、ということでもある。
2)インターネット的であれ
日本のネットビジネスは、アメリカのそれに比べると、極めて常識的だ。中小専門店、1ヶ所にテナントを集めるモールといったようなものが目立つ。だが縦横無尽なネットワークが可能なインターネットで、これではあまり面白みがない。リアルの世界のビジネスを単にネットに載せただけでは、だめなのだ。例えばオークションなどは実にインターネット的だ。売り手と買い手を柔軟につなぐ仕掛けだ。ネットの真のビジネスチャンスは実はこうした「マッチングビジネス」にある。インターネットならではのビジネスモデルをまず検討すべきだ。ちなみに、アメリカでは21世紀の最も有望なネットビジネスとは、B to B(ビジネス間)のマッチングビジネスだと言われている。
3)新しいビジネスモデルで勝負!
これも2)と似ているが、中小専門店モデル、モールモデルでは最早勝負はできないだろう。昨年あたりからアメリカでは実に奇想天外、非常識なビジネスモデルが出始めた。消費者が指し値で価格を決定する「指し値モデル」(リバースオークションとも言う)、小売業の癖に利益率ゼロ、あるいはそれ以下を標榜する「ビロウゼロモデル」、不特定多数が共同購入し、大量購入によるプライスダウンを可能とした「共同購入モデル」などが好例だ。全く新しい発想、仕組みが輩出しているのだ。ネットビジネスの本質とは実はここにある。ネットを利用して消費者に全く新しい価値を提供できるかなのだ。そのためにはビジネスモデルの勝負となってくる。これも参考だが、これからのビジネスモデルのキーワードは「ローカル」(地方)、「グローサリー」(生鮮品)、「c to c」(消費者間取引)である。
4)コンシューマーセントリックであれ
コンシューマーセントリックとは、消費者中心、消費者が偉いといった意味である。ネットとはまさに消費者主導の場だ。消費者が価格を含め何でも決定してしまう。とにかく壮絶な「顧客志向競争」の場なのだ。少しでも安く、少しでも親切に、少しでもインターフェースをわかりやすくしたモノが勝者なのだ。ネットでは売り手の1人よがりはまず通用しない。
5)基本はダイレクトマーケティング
ネットビジネスの本質はダイレクトマーケティングだ。そこにはいくつのルールがある。例えば初期段階では、勝負はとにかく「総顧客数」なのだ。まず顧客データを集める。一般論としていえば、顧客数の経済単位(利益が出始める単位)は30万である。妙な会員制度、会費徴収はしない方がよい。顧客を集め、そこから「アクティブハウスリスト」(生きた自社の顧客リスト)を整備したものが勝者なのだ。この点、当面は顧客リスト集めのための、コストがかさむということも覚悟しておかねばならない。
6)ブランディングこそすべて
ネットではマーケティングは極めて大事だが、その1つがブランドだ。1度信頼をかち得ると、ネットではブランドスイッチが起こりにくい。だがここに至るまでが大変だ。まず認知してもらい、アクセスしてもらう。かつ良質な購買体験を提供する。これがネットでのブランド形成の原則なのだ。結果的に良質な購買体験を経たものは、満足度が高まり、定着する。これを「ブランディングの輪」というが、この「輪づくり」が勝負なのだ。
7)良質な口コミの創造
ネットの購買行動は実世界の購買行動とはかなり異なる。まずは情報収集だけの利用が実に多い。ビジネスとして考えれば、の情報探索者をいかに購買者に転換させるかということが重要だ。だがもう1つ大事なことがある。単なる情報探索者の満足度をいかに高めるか、ということなのだ。結果的にこれは再来点率向上につながり、かつ良質なデジタル口コミの生成につながる。ネットでの最大のプロモーションは、実は「口コミ」である。
8)模倣は創造の母
ネットではすべてがオープンだ。しようと思えばだが、あのアマゾンのサイト構造をすべて真似ることさえできる。ネットでは原則ノウハウはすべてオープンにされている。最近でこそ、ノウハウを特許にする動きが出てきたが、キャッチアップするには、先発企業のノウハウを学ぶのが最も早いのだ。例えばアマゾンの価格表示は何種類もの表現方法を持ち、実に丁寧である。最近では商品種類を多様に広げ始めたが、バッグの売り方などはなかなかユニークだ。ただ漫然と真似するのではなく、「なぜそうなのか」を絶えず問いながら、見てみるとよい。ネッとでは模倣は創造の母なのだ。
9)業界経験がモノを言う
日本ではアメリカ的な成功例は実は数少ない。大学出たて、あるいはアメリカのビジネススクール帰りの若き創業者に金が集まるような社会ではない。日本でネットで生き生きしているのは、実は「熟年ベンチャー」である。業界の裏も表も、強みも弱みも知り尽くし、法律から商習慣まで熟知しているような、熟年が意外と頑張っている。結果的に「年の功」というわけでもないだろうが、信頼感と安心感で金、人も集まってくる。この日米の社会の違いは、十分に理解しておくべきだ。
10)金と技術より知恵とセンス
最後はこれである。この「正論」がまかり通るところがネットのよさでもある。だがこれはこれまでの日本的ECの形だ。これからは金も知恵も必要な場となってきた。 |