サイバービジネス関連寄稿

ブランド力がない企業がネットで行うべきこと

(B-155)〔00.07)



日本のインターネットショップは2000年5月現在でおよそ2万7千店。そのおよそ9割は従業員50人以下の中小・個人企業が展開するショップだ。日本のインターネットビジネスは中小企業がリードしてきたと言っても言い過ぎではない。そのトップクラスの企業で、月商2千万円位の規模に育ってきている。体制はといえば、ほとんどがパパママストアタイプだ。これで億単位の年商に育ってきているのだから、実店鋪よりはるかに効率の良い商売をしていることになる。



  もっともこうした「成功例」はごく少数だ。大多数の店は月100万の壁を超えられない。初期コストが安く参入障壁が低いのは事実だが、実際には商売の難易度は高い。
 その背景には2つの理由がある。1つは実像の攫みにくいインターネットで、中小企業が「信用」や「ブランド」を獲得するのが難しいこと。もう1つは、沢山のショップの中で、顧客に選んでもらい、来店してもらうことが相当力仕事であるということなのだ。

●ブランド力のない企業が行うべきこと

 ブランド力、要するに知名度がない中小企業ショップの場合、集客以前に認知度や信用度を高めねばならない。まず次のようなことを行っているか、チェックしてみるとよい。
・わかりやすいドメイン(インターネットの住所のこと)を持っているか。仮に法人格を持っているなら、co.jpのアドレスはまず押さえておくべきだ。

・自社のインターネットショップはわかりやすいタイトル、サブタイトルを掲げているか
・確立されたブランド名の店(例えば三越、高島屋と言った名前)から買う以上の価値を提供しているか
・リアルの世界の住所、氏名、電話、ファックス,地図等を載せているか
・双方向の手段を用意しているか(顧客が意見やニーズを述べられるような仕組みのこと)
・商品またはサービスについて、独自のギャンランティの仕組みを持っているか
・自社のサイトを見つけてもらうための最短ルートを持っているか(例えば検索エンジンで見つけやすくなるような工夫をしているか)
・オンライン以外の様々な決済方法を用意しているか(決済方法の多様化は消費者利便とともに、信用付与の役割を果たす)
・スピーディな配送や期日指定配送が可能であることを明記しているか
・顧客対応の電話を用意しているか
・顧客の評価、意見等をウェブ上に載せているか
・評価サイト、過去にマスコミに取り上げられた実績等を掲載しているか
・過去の店の経緯、歴史、ビジネス日誌等を掲載しているか
・店主の「顔の見える」店づくりをしているか(文字どおり自分の写真を掲載している店も多い)。

 この他にも様々な手段がある。例えば通信販売協会が行っている「オンラインマーク」(安心の出来る店です、というお墨付きマーク:デザインは恐ろしくダサイが)を貼る、あるいは、ベストショップを評価するようなサイトに積極的に応募するといったことだ。結局インターネットでの信用やブランドとは、「この店を利用して良かったか、安心して利用できたか」ということでもある。そのためにあらゆる手を尽くして置くべきだ。この種の努力がページに反映されてくると、顧客は的確に店の「やる気」を見抜くものだ。結果的にそれが顧客の支持を生み、顧客増につながることになる。

●アクセス数が増えないとなげく前にすることがある

 よくアクセス数が増えないとなげている人がいる。人のせいにする前に、自分の店では次のようなことを徹底しているかチェックしてみよう。

1)ページタイトルは書いているか
2)3秒ルールを守っているか(3秒みただけで、何の店か、ここでワタシはウェルカムかとわからせるトップページデザインのこと)
3)自分の店を表現するキーワードはリストアップしてみたか(自社のサイトを見つけてもらうためのキーワードは何かを洗い出す)
4)サイトコンセプトを100字位で要約してあるか(検索エンジンに登録する時、またパブリシティを行うときに有効)
5)検索エンジンにもれなく登録しているか
6)ヤフー対策をしているか(検索エンジンの利用シェアやはヤフーが7割。まずヤフーで見つけてもらいやすい対策が必要)
7)関連するサイト、あるいは希望するサイトにリンクの依頼を徹底したか
8)URL(インターネットの住所)をあらゆるものに添付しているか(名刺、便せん、封筒、広告・・・)
9)伝統的メディアでの宣伝の必要性はチェックしたか。
10)フリーサービスを何か1つ考えたか(無料の情報、インセンティブ等)
11)お試しセット等のビギナー向けの特別サービス商品を考えたか
12)相互リンク(リンク交換)は徹底したか
13)サイト立ち上げのニュースリリースは
作成したか(マスコミ、インターネット関連メディアに対して)
14)ビジターのアドレス確保と、最新情報発信許可の依頼は行っているか
15)e-mailマガジンの発行は検討したか
16)メーリングリストやe-mailを活用した販促を検討したか
17)モールへの加入メリットを検討したか
18)コンテスト、懸賞等独自のイベント企画を検討したか

●来店者を購買者に変える

 日本では単に「客」ととらえるが、来店者数と購買者数は厳密にわけて考えるべきだ。この来店者→購買者の転換率はあのアマゾンのような優良店で8%位。通常では2%といったところだろう。つまり100人来ても98人は購入せずに帰ってしまう。もちろんこの比率を上げる努力も必要だが、集客術とは、この98人をいかに活用するかにある。つまり98人の満足度を上げ、良質のデジタル口コミを生成してもらう(要するに、あの店っていいよ、と言ってもらう)こと、さらにこの98人に再び来店してもらい、今度は購入してもらうことがポイントとなる。

 このためには、まずスティッキーな店づくりが必要だ。スティッキーとはねばねばしたという意味だ。要するにまた戻ってきたくなる、あるいは思わず他人に語りたくなるような店づくりのことだ。これは3つのCというが、「内容のあるコマース」「充実したコミュニティ」「内容のあるコンテンツ:情報」が基本である。要するにただ商品を並べただけの店ではダメだということだ。このステッィキーな店づくりが、集客力アップの基本である。



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