1)客がエライ:
これは難しく言うと、「バイヤードリブン」であるとか「コンシューマー・セントリック」などと言うわけですネ。ネットでは役所に嫌われようと、業界内でつまはじきにされようと、顧客の支持を受ければそれでよい。その証拠に、某旅行業界のホテル予約サイトなどは、旅行業界からもホテル業界からも嫌われている。体質の古い旅行業者が異業種参入であるこのサイトを嫌うのはわかるが、会員であるはずのホテルがなぜ嫌うのか。理由は簡単で、価格が比較されてしまい、安い部屋を提供せざるを得ないからだ。だが誰に嫌われようと、消費者の支持があれば、ネットでは構わない。これこそがネットでのゴールデンルールなのだ。
2)スモールイズスマート:
これは定番中の定番。だが最近の日本の大企業はここを間違える。「我が社は超大会社なのだ」などと自覚してしまい、本業以外にネットで田舎百貨店みたいなものを展開したがる。「自己過信のワナ」に陥る事例が急増中。たとえば消費者が自動車会社に求めるものは、自動車の範囲内だろう。せいぜい100歩譲って音楽等メディア関係までだ。誰もここにミソや米は期待しない。ネットには立派な米屋やミソ屋がたくさんある。ビッグで何でもあることは、ネットでは必ずしも競争力を持たないのだ。もう1つ「スペシャルイズスマート」というルールも忘れてはいけない。
3)全てがスピード、スピードが全て:
これも常識ですネ。もっとも世間から糾弾された某乳業会社社長も「スピード経営」を標榜していたらしい。ネットバブルと言われすっかり株価を下げた企業も「ネットスピード」をキャッチフレーズとしていた。スピードとは拙速のことではない。スピードとは結果であり、その背景には「意思決定システムの早さ」、「個人への権限委譲」が伴わなければならない。多くの企業でウェブマスターにはたいした権限はないし、ハンコの山が必要である。おまけに、ネットのスピードとは「顧客への感度の良さ」も含まれる。打てば響くような対応というわけだ。この点で物販のECは根本的な矛盾を抱えている。選択から注文までは、トントンとスムーズに運ぶが、いざ商品が届く段になると、1週間後などということになる。これではネットのスピード感は損なわれてしまう。だから注文後1時間以内に自転車で届けるサービスなどが脚光を浴びているのだ(アメリカの話)。コンビニECももてはやされているが、商品受け取りの段階でもたもたしたら、墓穴を掘ることは明らかだ。
4)目利きがエライ:
これは実に私見である。今やウェブの総ページ数は20億ページを越えたそうだ。日本語は約3%。それでも6千万ページはある。ということはこれを1日10ページ読むヒマな人がいるとしても、16500年かかる計算である。この途方もない情報を前にしたとき、人は何を手がかりにするかだ。ここで見解は2つに別れる。1つはエンジンの類、つまりはやりのIT技術を信奉する一派。もう1つは人間の意見を頼りにする一派。それも一般大衆の意見ではなく、目利きの意見なのだ。ネットでいちばん偉いのは「目利き」「評論家」「格付けをする人」である、というのがワタクシの常々の意見である。それにエンジンって結構まだバカだしネ。
5)センスなきものは去れ:
日本の企業社会ではセンスの話をすると、すごーくいやな顔をされる。だがこれがネットのオキテだ。センスのない人はネットビジネスには向かない。ネットでは「何をするか」ではなく「誰が何をしたいか」かが優先される。某商社では目下、社内をあげてのe- ビジネス開発競争をしているらしい。ここで「社内一センスのよい若手社員」が考えて、社長から褒められたのが、社員や関連会社社員向けのオンラインショッピングだという。今や会社の保養所さえ利用したがらない時代なのに、社内イチのセンスの持ち主がこの程度のことしか、考えられないとは、ヘンな会社だ・・。
最近はコンビニECの亜流ということで、駅、ガソリンスタンド、系列店等を巻き込んだECプロジェクトが続々登場。これがいずれも結構ひどい出来だ。一目見て「なんて、センスないんだろう」と皆が思うはずだ。これはセンスのない人がよってたかって作り上げたというよりも、もともとセンスというものが重要視されない企業体質だ、ということが推測できる。
そこで問題となるのは「センスとは何か」であるが、これは各自の検討課題である。
6)一番手戦略か正しい2番手戦略か
ネットではこの選択が重要だ。多くの場合1つのところがにぎわい始めるとそこに人気は集中する。2位以下は正しい差別化戦略をとらねばならない。このルールを多くの日本企業は理解していない。リアルの世界では3番手までは総合戦略で生き残れる。差別化戦略が必要なのは4番手企業からなのだ。だがネットの世界は上位1社のみ。日本企業の多くは「差別化戦略」というものが不得手である。1番手になるには、上記の1〜5のオキテを理解していなければならない。従って、フツウの日本企業のヒトは、差別化戦略をまず検討した方がよいということなのだ
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