ネット時代のビジネスマン像の要件は簡単である。
・1人称で(つまりオレはこう思うという表現で)他人が説得できること
・何をするかではなく、何をしたいかが明確であること
・エンドユーザー、あるいは顧客との共感が体験できること
・走りながら考えられること
・理論武装よりもまず試行錯誤をしてみること
・感度が良いこと
・個性や自己主張が強いこと
こう書いてみると、当たり前のことばかりだ。だが大企業でいかにこれを押し通すことが難しいかは、誰もが知っている。
日本の過去のECは中小企業主導だ。理由は明白で、いずれも店主の思い入れやこだわりが明確。かつ意思決定やアクションが早いからだ。大企業は失敗の連続。その理由は、いずれも上記の項目の逆を行ったからだろう。
「船頭多くして山を登る」「顧客からの意見を取り入れない感度の悪いウェブを作る」「顧客の反応に臆病な内向きなウェブを作る」「直すべきことも、即座に直せず、ハンコの山が必要」「意思決定者が不明確」「自らも消費者であるはずなのに、作り手、売り手主導で考えて不思議に思わない」「シンクタンクや外資のコンサルティングファームの意見を疑問に思わない」・・・
過去5年間ECショップを見続けてきたが、成功しているショップには共通の要因がある。いずれも人の影がする。しかも「お主できるな!」と言えるような知恵者の存在が見え隠れする。
ECに関しては、今年からは「大企業逆襲の時代」だという。だが肝心の大企業側の出来はかなり悲惨だ。コンビニのECがもてはやされれば、柳の下の2匹目のドジョウを狙ったようなものばかり出てくる。駅や系列店の活用が前面に出る。結局は「何をしたいか」ではなく「何をしなければならないか」がテーマだ。今の消費者は、そんな内情を一目で見抜いてしまう。
EC担当の癖に、オンラインショッピング体験が実に希薄な人も目立つ。人間の知恵よりも、エンジン等のIT技術を信奉する。
今やウェブページの総数は世界全体で21億ページを越すそうだ。日本語ページはその3%。6千万ページを越えている。人間の選択能力を越えた情報が流布したとき、人は何を手がかりとするかだ。IT技術に頼り、情報を絞ることも可能だが、結局は「人間の目」が一番有効だ。この「目」をもてるかどうかが、勝負の分かれ目なのだ。
人の意見を聞くことも重要だが、それではECは出来ない。自らが目利きになる。これ以外の選択肢はないだろう。詰まるところは「1人称で勝負できる」人が勝者なわけだ。「それはお前1人の意見だろう」と排斥されるような組織なら、さっさと抜け出すべきだ。
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