サイバービジネス関連寄稿

お笑いIT革命の構図

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最近はIT,ITと騒がしい。しかしである。ITって一体何だ?
 先般のサミットはITサミットだった。また7月に出た経済白書は別名IT白書と呼ばれている。だが中身はどうもあいまいだ。某首相などはITとは
パソコンのことだ、と思っているらしい。それにそもそも原語はインフォメーションテクノロジーだが、日本政府の公式用語は「情報通信技術」である。一体どこから「通信」が出てきたのだろう?



 この点アメリカの定義はかなり明確である。デジタルエコノミーあるいはニューエコノミーとは電子商取引とそれをサポートとするIT産業と明確に規定する。ケムリもくもくの工場みたいなのは、オールドエコノミーとなるわけだ。これらのデジタルエコノミーは商務省の管轄で、統計やレポートもバッチリ出ている。

 日本は「情報」は通産省、「通信」は郵政省管轄なので、まずここで縦割りの弊害がでる。統計もなし。結局日本では、コンピュータや通信を使ったようなモノ、あるいはサービスは全てITなわけですね。これでIT人材育成だとか言っても、イマイチ説得力がない。
 マスコミも同様である。最近は「ITについて記事を書いてください」とか雑誌社から頼まれる。だが「ITって何ですかね?」とたずねると、向こうも「何でしょうね。インターネットのことじゃないですか?」とか極めてあいまい。かくして、編集側も、書く側もよく理解していないIT記事が氾濫していくのだ。本屋に山積みしてあるIT本も相当いい加減である。講演依頼もやたらに難しくなって、「21世紀IT産業を展望する」などと超難しい注文がくる。それより「インターネットビジネスで儲けるコツ」とかにした方が役に立つと思うんだけどネ。

 かくして官主導型「IT革命」が進展していくのだ。日本はよくも悪くも、行政が何か動くと、影響される国だから、しばらくはITごっこは続くだろう。これが何かの役に立つのかは、疑問である。これでゴアが大統領になったりしたら、早く今のうちに首相を取っ換えないと目も当てられない事態になりそうだ。心ある産業界の人は、長野県の経済人ではないが、相当なる危機感を持っている。だがまだ動いていない。

 大体日本は世界に冠たるIT後進国である。まずこの自覚を持たねばならない。アメリカと日本の人口、GDPは約2倍違うが、1人当たりGDPは日本100対アメリカ95位の感じだろう。ことITをハード面の投資からみると、その差は大体人口比の差でしかない。
 だがことインターネットに限定すると、数十倍の差がついてしまう。世界のウェブページは21億ページだが、アメリカのシェアは57%、日本語ページは3%程度だそうだ。となると、ここでも20倍近い違いがある。日本語を前提にする限り、インターネット界の
イナカモンでしかないことは厳然たる事実なのだ。

 それではアジアの中で先進国か、というとこれまた全く違う。先行する、台湾、香港、シンガポールの後塵を拝し、韓国に追い抜かれ、中国が後ろから迫っている。韓国は日本が5年かかったところを2年で達成してしまった。国家破産とIMFのおかげで、大企業を首になった優秀な人材が一斉にIT産業に流入したからだ、という解釈もある。

 おまけに、IT人材とは資質に適性があるらしく、アジアでダントツに優れているのは、インド人と中国人なのだそうだ。最近はインドから人材を日本に招くケースが増えているが、「一緒に働いてもらえるかどうか」と心配している企業を沢山知っている。その位日本人技術者とレベルが違うのだそうだ。

 要するにワタクシ達は、まず謙虚に現状を自覚せねばならない、ということなのだ。
 さて先般の沖縄サミットでは、IT憲章が発表された。その内容は大体次の4つである。
・ITは21世紀を形づくる最強の道具だ。
・従って「デジタルオポチュニティ」を真剣に検討しましょう
・デジタルディバイドのことも考え、まず日本は金を出しましょう
・デジタルオポチュニティを逃さないために作業部会でも作りましょう

 憲章などというと大層なものを想像するが、中身は精神規定だ。おまけに、日本そのものがデジタルディバイドの対象になりかねないリスクを持っているということでもある。タイやフィリピンあたりに援助の手を差し伸べるとか言っているが、追い払うべきは自分の頭の上のハエである。

 その昔インターネットがブームになり始めたころ、「インターネットは人類を滅ぼす」というウワサが流れたことがある。あのジュラシックパークを書いたマイケル・クライトンが次の小説のテーマにする、という話であった。この小説のオチは、人類はほとんど滅びるが、日本人だけ生き残る、というモノである。理由は簡単。「英語ができないから」。これはあくまでうわさであったらしく、マイケル・クライトンのこの小説は何年待っても出てこなかった。

 ここまでコケにされると、日本人としては情けない。そこで出てくるのが「日本的IT革命」だの「日本的EC」であるが、これも今のところ、実態が見えず。日本的ECの代表であるはずの、コンビニECサイトもイマイチできが悪い。そもそも壮絶な顧客満足獲得戦争が勃発しているネットで、「来店させておいて何がコンビニエンスか!」という根本的な疑問がつきまとう。誰もが「コンビニEC」の一見派手な計画に幻惑されているが、これって結構底が浅いものではないのか?大体先発の某社は、軍隊みたいな会社で「敵との戦争」は得意そうだが、ネット向きのクリエイティビティなんてのは会社の風土にこれぽっちもないように見える。

 ITにしても、早く首相を取っ換えないと、まずいことになりそうだ。人柄は悪くてもいいから、まともな脳みそとITの何たるかを身をもってわかる人材はいないんでしょうか?



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