1.大風呂敷
何か大風呂敷を広げたようなコンセプトが好きなようだ。大風呂敷というと怒られるので、「発展性のある計画」としておこう。典型はコンビニEC計画だ。「全国3万7千店の拠点を活用する。店内にはマルチメディア端末を設置し、ICカードも発行しよう。最強の企業ネットワークを組み強者連合を形成する。物販だけではなく銀行も開始して・・・」などというと「これぞ日本的EC革命!」といった記事になる。あるベンチャー経営者がぼやいていたが、「経営はシンプルイズベストなのだが、こうした地味な計画は取り上げてもらえない」だって。記者の人もそこまで単純だとは思わないが、派手な計画ほど記事になりやすい、という側面はあるはずだ。
だがコンビニに関して言えば、「たかがコンビニ、されどコンビニ」である。今のところは「たかが」の方が先行のキライだ。大体強者連合というけれど、視点を変えれば「船頭多くして舟山を上る」という見方だってできるのだ。
ネットのオキテは「スペシャルイズスマート」である。さらにいえば「シンプルイズベスト」もそうだ。ジェネラルで大掛かりであればあるほど、大風呂敷であればあるほど、多機能であればあるほど成功確率は低下するかもしれないのだ。
2. 君子豹変す
あの楽天はここにきて評価は真っ二つだ。かっては褒め称えていた癖に、楽天叩きとまではいかないが、「影」を強調する記事が続々登場している。その1つは「退店者続出」というもの。だがあそこは昔から多産多死の構造である。今に始まったことではない。大体モールとはブランド力のない企業が商品検索から店を見つけてもらうトラフィック確保の手段である。そもそも名のある企業が入居していることがおかしかったのだ。しかも「一応ECも手がけています」という社内への言い訳用に入居していたような企業が多い。それがもう通じなくなったということである。
もう1つの論点は「テナント数が増えすぎてテナントメリットが薄い」というもの。これは正解ではあるが、逆に見れば「テナントがこれだけ増えると何でもあって楽しいよ」という消費者側の評価もある。物ごとをテナントサイドから見るか、消費者サイドから見るかの違いである。片方だけ強調するのもいかがなものか、とは思う。
さらにある雑誌記事では「テナント料収入だけではやっていけなくなり、収益の多角化を計り始めた」とあった。これもヘンで、ネットでは「マネタイジング」という言葉がある。要するに金もうけということなのだが、これは自ずと多角化の道をたどるのだ。これが成功の秘訣でもある。例えば来店者が増えれば「マネタイジング・ザ・トラフィック」というシナリオが出てくるわけだ。別に楽天を擁護するわけではないが、あまりにも見方が一面的な記事が多い。
3.せっかち
ベンチャーブームかと思いきや、いきなり盛り下がってしまった。「ベンチャーブームの終焉」であるとか、ベンチャー企業の株価の低下をもって「ネットバブルの崩壊」などという。だがたかだかネットベンチャーの歴史は2年しかないのだ。全くのスタート時期なわけで、今の流れはスタート時期にありがちな変動要素だろう。これをもって「終焉」と名付ける根拠がどこにあるのか疑問である。確かに計画も曖昧なベンチャーが続出したが、これに金をつけたベンチャーキャピタルの眼力のなさ、を問うべきだろう。
さらには、BtoCの終焉説もある。アメリカではペット、玩具などのコマースサイトの倒産が相次いだ。だがこれは性格の不明確な大型店や単なるディスカウンターが多いのだ。個性のある店、クリック&モルタルでの基盤がある店がつぶれているわけではない。アメリカの予測レポートを見ると、2001年のBtoCは「個別の企業の淘汰はあるだろうが、成長はハイペースで持続する」とあった。「光」を強調したら「影」に触れたくなる気持ちはわかるが、もっと物事の本質を見極めてからでもよいではないか。
4.一周遅れ
ネットのビジネスモデルは最先端と思いきや結構リアルのマーケットに比べても「1周遅れ」みたいなものが結構ある。昔試みてうまくいかなかったものがネットで再登場しているのだ。「女性の視点を生かした商品開発サイト」などは典型だ。女性だからといって開発がうまくいくなどということは過去の歴史にはなかった。だがこういう昔の話はマスコミ含め皆忘れてしまう。私たちは言論界含め歴史に学ばなければいけないのだ。
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