| こりゃ、ヘンだ!ホームページ講座 ー第4回「自社へのユーザー期待を見誤る」ー |
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| ■ウェブはメーカーのマーケティングの形を大きく変えた。顧客、エンドユーザーとの関係づくりが「低コスト」かつ「双方向」で展開可能だ。要するに、エンドユーザーと「仲良くする」ための手段が画期的に変革したということだ。 具体的に仲良くして何をするか、ということだが、これは様々だ。大別すれば ・ブランディング、新製品浸透 ・マーケティングリサーチ、開発 ・顧客開発とロイヤルティアップ ・顧客維持 といったところだ。 |
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| ●コミュニケーションサイトの内容と弱点
新製品浸透については、化粧品会社や食品メーカーの事例が多い。ウェブ上でキャンペーン応募顧客を募る。ウェブ上で一定期間「対応」し、ブランドイメージ、製品イメージの浸透を図る。最後に実店舗での購買に結びつけるというもの。 4つ目の顧客維持については、これまた様々な手法が登場。最も多いのは、パソコンメーカー等、「登録顧客」に対するサポート、あるいはサービス提供の形だ。従来顧客維持に全く目をむけなかった業界というものもあって、例えば保険会などは好例だ。損保に関しては、契約は持続するものと信じきっていた。ところがウェブの登場で、チャネルも購買方法も激変。保険料を比較してブランドスイッチなどという事態が起り始めたのだ。ここにきて「契約者様向けの専用コーナー」などを設けている保険会社が増えている。もっともかなりヘタクソだ。某損保などは、なぜかレシピの提案、バイオリズム診断、秘書機能などといったとんちんかんなサービスをラインアップ。大体ただでさえ接点の薄い損保会社にこの種のことを期待するわけがない。企業の展開するこの種の「顧客サービス」の中身を見ると、いかに自社のアイデンティティの認識が希薄か、ウェブ上でのサービス設計の形を理解していないかがよくわかるのだ。 商品開発への貢献、ロイヤルティアップ、ブランディング等従来「顧客組織化戦略」などと呼ばれていた手法をウェブ上で展開する事例は急増中。 2. リサーチチャネルとして考えると、情報精度が低い。大体、登録したプロフィール情報の8割はウソであろう。プレゼントでも貰えるなら、住所こそ正確に書くが、年齢、その他を真面目に書く理由が見当たらない。一説には、企業が一生懸命集めている、「女性顧客」の平均年齢は、実年齢の半分だ、とのウワサである。 3. 同様に、アンケート、モニター等の回答精度も割り切って考える必要がある。 4. 登録顧客のマーケティング的意味の吟味が必要。つまり母集団としてどのような意味があるか、ということだ。多くの場合、「我が社のサイトに登録した消費者」という意味しななく、代表性はもとより限定性の意味付けが難しい。 ●ユーザーメリットの設計が下手!! 一方運営側にも大きな問題がある。登録してもらうために、様々なサービスをラインナップするが、これが多くの場合、的外れだ。例えば「日々の生活のお役立ち情報」などというコーナーを作ったり、「クッキング」コーナーでレシピの紹介などをしているが、わざわざ企業のサイトにきて、この種の情報を有り難がる消費者は限定される。おまけに、ウェブにはこの種の情報の専門サイトが山ほどあり、情報の深さ、幅ともに全くかなわない。かといって、個別企業独自の視点で情報が編集されているわけではない。多くの場合、編集プロダクションに丸投げだ。自社が「顧客とのコミュニケーション強化サイト」で提供すべき「情報」とは何か、がきちんと理解されていない。 結果的に、ユーザーメリットとは、キャンペーン参加、プレゼントのゲットといった「割得メリット」に集中する。さらに企業側が発信するメルマガも読む気になるのは始めの数回だろう。要するに、「コミュニケーションの形」の陳腐化リスクが高いということなのだ。多くの場合、集めたメールリストの数を唯一の成果指標としているが、その価値は見かけの100分の1というところだ。これがショップであればまだ本当に価値のある顧客リストづくりの基盤になるが、コミュニケーションサイトではお荷物になるだけで、おまけに、管理があまいので流出劇が絶えず、企業イメージ低減に貢献してしまっている。 結局は、この種のことを展開するためには、「自社のアイデンティティとは何か」、その範囲内で、ユーザーメリットのある「オリジナリティメリットとは何か」の綿密な検討が必要だ。さらには、集る情報をどうマーケティング的に活用できるのか、の厳密な検討も必要だろう。多くの場合、自由な掲示板などがあり、表向きは「開発のための情報の宝庫」などといっているが、実際にはほとんど役立っていないはずだ。 ●こりゃヘンだ!ホームページ大賞 さて今回の「こりゃヘンだ!ホームページ大賞」はダイキンの「フィールエアクラブ」に捧げる。ダイキンといえば消費財ではエアコンを思いつくが、コンセプトは、多分これにちなんのだのであろう。「女性のための家庭内での空気廻りについての悩みや工夫について情報交換を行うサイト」である。まず空気廻りというのがかなりヘンで、ほとんどの女性は空気廻りの悩みや工夫をすぐには思いつかないだろう。なぜか美容健康に関する情報コーナーがあるが、およそダイキンにお願いして読みたい内容ではない。空気から発想したのか「お肌診断」などもあるが、こうしたメニューは化粧品会社の独壇場だ。ちょっとご遠慮したいというのが本音である。掲示板のコメントも昨年始めのものが最新といった状況だ。コミュニケーションサイトとしては機能不全に陥っている。要するに ・空気廻りというコンセプトの必然性のなさ、ニーズのなさ が前面に出てしまっている。結果的にコンセプトにパワーがない分、プレゼントなどの手法を多用し、コストアップにつながる一方、「プレゼント目当ての客が果たしてマーケティング価値があるか」という根本的疑問が生まれてしまっている。 |
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