サイバービジネス関連寄稿

こりゃ、ヘンだ!ホームページ講座
ー第6回「オンラインショッピングをしないという選択もあってよい」ー


何かの調査で、米国ではオンラインリテイリングの2〜3割は、メーカー扱い分だという数字を見たことがある。直販分はもう少し減るようだが、いずれにせよeコマースにおけるメーカーのプレゼンスは相応に高い。
 一方日本だが、パソコン等必然性のある商品を除くと、いずれも苦戦。流通チャネル政策との整合性を気にするあまり、中途半端なモノになってしまっている。
 サプライ、消耗品等hard to findなものを販売しているメーカーサイトはそれなりに運営意義を見いだしているようだが、これはオンラインショッピングというより
顧客サービスの視点が強い。



  ナショナルブランドを扱うメーカーの悩みは深く、ここ数年試行錯誤を続けているが、特に食品メーカーはお手上げ状態だろう。ギフトアソートでの販売、手に入りにくい地方バージョンの味の販売等苦労しているが、あまり売れているようにも見受けられず、eコマースサイトとしてのレベルも低い。妙なeコマースは撤退して、マーケティングツールとしてのネット活用に徹した方が得策のようにも思える。
 各社の苦戦の背景を察するに

・自社商品のギフトアソート等を展開しているところが多いが、商品ごとのブランド力差が目立つケースが多く、パッケージとしての魅力がない
・ケース販売等大量購入メリットを打ちだすところもあるが、価格メリットが伴わず。
・本業のメイン商品、ナショナルブランドの大量流通商品を除くとなると、関連商品にならざるを得ず、概して商品的魅力が薄い。結果的にサイト訪問者に対するウェブチャネルでのアピール力が著しく弱い
・ショッピングプロセス、ワーディング等基本的なeコマースのノウハウのレベルが低い
・関連商品の寄せ集めで、ショッピングサイトを構成しているようなケースもあるが、インターフェースがまちまちで、実際には使いにくい

 等々の理由が推察できる。要するに「ショッピングでもやってみるか」という動機が先行し、結果的に必然性にも乏しく、ユーザーフレンドリーなサイト運営も伴なっていない印象を与えてしまっている。

 今回の「こりゃへんだ!ホームページ大賞」は、味の素のオンラインショッピングに捧げる。「厳選した商品を便利なインターネットでお買い求め頂けます」とあるが、商品的には厳選された印象は受けにくい。JINOという化粧品、e-AJI giftというギフト商品販売、アミノバイタル、甘味料の4つのメインジャンルがあるようだが、いずれもウェブ上での商品魅力度という点ではイマイチの印象を受ける。

 味の素の化粧品を使いたいとはあまり思わないが、ブランドサイトは相応の内容なのだから、むしろこのショッピングコーナーから独立させた方が得策だろう。もっともJINOについては、いきなりIDとパスワード入力画面が登場するが、会員になる必然性が設計されているようには思えず。インターフェースと疑問が残る。ギフトコーナーに関しては、「デジカメで撮ったオリジナルギフトカードが付きます」等のフリンジべネッフィットを訴求しているが、肝心のギフトアイテムがう〜ん、イマイチ魅力なし。このサイトから「冷凍うどん・ソバギフト」を送ろうとする消費者はかなり限定されるだろう。

 「甘味料」については諸般の事情により2月16日から中止するそうである。ショッピングページ全体を中止するのか、と思わせる表示であった。折しもeコマース全体は効率性、費用対効果を厳しく吟味する方向に向かっている。大きなお世話だが、効率面では相当問題を抱えていそう。

 各商品のショッピングプロセス、ナビゲーションに統一性もなく、またウエブならではの詳しい商品説明が伴っているケースも少ない。味の素のトップページの相応に目立つコーナーに「ショッピング」のボタンが配置されているが、現状では中を除いて失望する可能性が大。企業イメージ、本業メイン商品のブランドイメージへの悪影響を検討した方が良さそうに思える。味の素本体のレシピ等は相応に充実しているのだから、ウエブマーケティングに特化するのもシナリオの1つのように思える。ショッピングを行わないという選択肢もあってよいはずだ。



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