●ITベンチャー
某誌の依頼で「ITベンチャー」の原稿を書いている。IT分野で起業し、それなりに成功を収めた企業、という定義なのだが、これがなかなか難しい。楽天、旅窓みたいな有名どころは話が出尽くして、もはやワンパターン。色々探しているのだが、「成功を収めた」という解釈が難しいのだ。そこで「自称」「自己満足度が高い」というレベルで探してみると、結構おもしろい事例が沢山ある。共通点が1つ。「成功例」のいずれも「ITベンチャー」と規定されることを嫌うのだ。彼らの言い分はこうである。「ウチはこのニーズや不満の解消に焦点を当てれば必ず商機があると思った」「たまたまそのための最適手段がネットであった」ということなのだ。
つまり彼らが言いたいのは、「始めにネットありき」「始めにビジネスモデルありき」「始めにアライアンスありき」「始めにシーズありき」でなく、あくまで素直にニーズから発想したということ。まあこれが勝ち組の共通要因ということなのだろう。というわけで、成功したいなら、「ITベンチャーを名乗るな」「ITベンチャーを気取るな」という教訓が得られるわけだ。
●クリック&モルタル
確かにBtoCの勝ち組の共通点がクリック&モルタルであった時期もある。だが、これは罪作りな言葉であった。勝ち組となった企業は、本物のクリック&モルタルで、実店舗と同等以上のことをネットで展開するのが条件だ。だが「実店舗も陳腐化、ネットももっとダメ」の人たち、「実店舗は普通、ネットはあまり上手くいかず」の人たちが誤解してしまい、「これからはウチの時代だ」などと信じ込んでしまったケースがいくつかあった。
ここへきて、「本物のクリック&モルタル」の神通力もやや失われつつある。クリックもモルタルも含め、「横断的業態間競争」が激しくなってきているからだ。ネットがチャネルとして浸透するにつれ、実店舗の価値が再びクローズアップされてきている気配もある。クリック&クリック、モルタル&モルタルなども今後は勢力を伸ばしそうだ。
●電子政府・電子自治体
何でも電子を付ければいいというものではない。大体「電子商取引」「電子マネー」などという言葉は、今となってみるとイマイチ精彩がない。「電子商取引」なんて名前を付けてしまうと、クリエイティビティが欠如してしまうような印象がある。最近は猫も杓子も「電子政府・電子自治体」で、本当に必要なのかな〜、と思うようなテーマで営業が行き渡っている。自治体の人に話しを聞いてみると、目的の第一は「ともかく電子自治体なるものを推進すること」で、二、三がなくて四番目が「行政の効率化に役立つこと」第五が「住民の幸福に資すること」のような気がする。
e-Japanは21世紀の大命題だが、各論になると現場はかなり混乱している。各省のイインとかにさせられて、「応募案件」の審査なんぞをしているが、結果的に「持続性」「波及効果」のあるものは少ない。はっきりいって税金のむだ遣いと思われるものが四割。電子自治体はウチにとって「金のなる木だ」とはっきりいっていたベンダーもあった。財政ひっぱくの折なのに、ITと名のつく税金のむだ遣いが進行中。そういえば某省の応募案件には大赤字の某社がベンダーとしてほとんどのプロジェクトで名を連ねていて、口の悪いイインが、「これでは某社の救助プロジェクトじゃない!」といっていた。事実でないことを祈るけど。
●SEO
サーチエンジンオプティマイゼイション(検索エンジン最適化)のこと。サーチエンジンで検索した時上位に位置させることを狙う様々な手法や技術のこと。折角盛り上がりそうなビジネスにケチをつけては悪いが、これも相当罪作りな言葉だ。確かにサーチエンジン経由の来訪者は目的意識が明確でアクティブな顧客になる可能性が高い。だが実際にはかなりのベテランユーザーで目が肥えており、上位に位置づけられたサイトにはそれなりの価値を期待している。これが裏切られることが非常に多いのだ。
要するに、「商売が中途半端なのに、サーチエンジン対策にばかり気を配ってもダメよ」ということである。さらにこれはカスタマー・アクイジッション(顧客獲得)の一手法でしかない。その後の様々なステップはまさに自助努力とサイトの出来栄えによるわけで、「顧客だけ引っ張ってきてもダメよ」ということにもなる。まあ両刃の剣なのだ。だが日本のeコマースはキーワードが大好きなので、かっての「リコメンテーション・エンジン」のようにしばらくは注目が続くだろう。
●ぐぐる
検索エンジンはGoogleの独壇場になりつつある。日夜Googleを検索することを「ぐぐる」、暇さえあればGoogleにアクセスしている人を「ぐぐらー」と言うらしい。
ぐぐらーと化しつつあるワタシとしてはこれはかなり危険状態だ。大体検索内容が個人情報として蓄積されたらどうしよう?Googleが悪の帝王みたいな機関に乗っ取られたら人類は滅亡しそうだ、などと日夜考えている。まあぐぐらーが増えるからSEOも重要になるわけではあるが。
●eMM
eメールマーケティングのこと。これも両刃の剣に加速的に変身中。HTMLメールも増加し、確かに表現力は向上した。パミッション(了解)ベースのマーケティング手法としては着実は成果を上げている。主戦場をウェブからメールに移しているeコマース企業も出現中だ。自社のアクティブハウスリストを対象にしている限り、こんなに費用対効果の高いツールはないだろう。
だが悪貨が良貨を駆逐する事態も蔓延し始めた。個人的には毎日受け取るスパムの数は50を越えている。いかに手を尽くして「退治」しようとも、次の日には新しいメールがやってくる。スパムも企業のeMMも同じような位置づけになり始めている。メール環境は悪化の一途をたどりそう。ポストeMMのシナリオが必要なのだ。やっとeMMに手をつけ始めた企業には悪いが、eメールマーケティング自体が、「邪悪な存在」になりそうな可能性すらあるのだ。
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