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webマーケティング
保険毎日新聞:99.03(C2−17) |
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■有名なカツラメーカーが2社ある。どちらもAから始まる社名で、膨大な宣伝費を使っている。この不況下、テレビCMはどんどん削減されているが、この2社だけは増えている。テレビ局にとっては神様みたいな存在だ。だが皮肉なことに、CMを流せば流すほど、視聴者の方はどちらがどちらだかわからない、という事態に陥っている。似たような社名である上に、製品の差別化が訴求されていないからだ。 |
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似たような事態が保険業界にも見受けられる。何だか最近アルファベットの3文字を付けた商品が増えているが、これがさっぱりわからない。大体これは社内用語のようなものであろう。消費者向けに新商品のネーミングとして、アルファベット3文字を付ける感覚が理解できない。おまけに各社似たようなことをするから、新製品の認知度は一向に高まらず、差別化効果もない。保険会社の人自身も、このSはサービスのエスだったかな、総合のエスだったかな〜なんて言っていた。自分たちも迷うような言葉を消費者向けに打ち出してはいけないのだ。もっともこの業界は、「さわやか」とか「まごころ」とか「あんしん」などといった似たような名前を付け合うのが好きな体質なのだろう。
●遅れ目立つ保険会社のインターネット戦略
悪口を言ったついでに、もう一押しするが、保険会社のホームページは日本のあらゆる業界の中で最も遅れているものの1つである。
大体中身を見ると、女子柔道部の紹介だの、美術館の案内だのが、脈絡なュ並んでいる。情報も平板で深みがない。特に生保より損保業界が遅れている。
生保もホームページ上で「コンサルティング・保険設計依頼」などというコーナーを展開しているが、内容はただのパンフレット請求である。この点学資保険のシミュレーションを行っている某新興保険会社のホームページはなかなか良く出来ていた。
とにかく今の保険業界のホームぺージは世の中のトレンドからみて一周遅れである。今の流れは次のようなものだ。
・単なる広報宣伝から本業販促へ
・情報のてんこ盛りから絞り込みへ
・デザイン性から情報性重視へ〔テキスト情報重視)
・情報発信から情報収集へ
・広報部主導からマーケティング部管轄へ
・テーマ性の付与(サイト全体のイメージコセプト、テーマを付ける)
大きな流れとしては、ホームページ自体をマーケティング支援の道具として活用し始めたということである。これは何も直販を目指すということではない。チャネル支援の意味を持っている。一番活用が進んでいるのは自動車会社で、日産やトヨタでは、ホームページ上の見積もり依頼がディーラーに送られ、そこで商談が始まる形になっているし、外国系自動車メーカーでは、ホームページ上での顧客情報収集とディーラーへの送客、その後のメールフォロー等が既にシステム化されている。ホームページを介した成約率は2割だそうで、コンマ以下を当然とする従来の商談とは格段の違いである。冒頭のカツラメーカーのうちの1社もウェブを活用しており、ホームページ上のヘア診断の情報が営業に活用される仕組みを確立した。これも月に数十件の成約だそうで、実店舗には足が向かない、対面の相談は恥ずかしい、といった商品特性をホームページ上ではうまく活用している。いずれも有望顧客情報を人的な営業チャネルにつなげるといった仕組みである。
●ホームページを活用した顧客情報の収集
ホームページは単なる広報宣伝から情報収集の場にかわりつつあるが、そこでは
・営業直結型見込み客情報の収集
・商品開発等のマーケティング情報の収集
・顧客とのリレーションシップの開発
といった役割がある。マーケティング情報に関しては、様々な収集形態があり
・景品添付、懸賞形式〔何かの景品や懸賞に応募してもらうスタイルを取る;応募者情報が自社にとって有用であるという保証はない)
・ホームページ上でのイベント参加によるもの
・カタログ請求、見積もり依頼の形を取るもの
・アンケート形式によるもの
・診断やシミュレーション形式によるもの
等がある。後者になればなるほど情報量は増えることになる。
なおアンケート形式に関しては、オープン型とクローズド型がある。オープン型とは広く呼びかけるものであり、「○○会社は今こういうアンケートをしています。ぜひお答えください」というものである。回収数は多いが、回答者に偏りがあること、時系列での比較が難しいこと、調査を行っていることが、世間にばれてしまうこと、等欠点が多い。
最近ではホームページ上で会員組織を展開し、それをマーケティング情報源とするという形が流行っている(資生堂他)。これまでの手法で数万人単位の会員組織を展開すれば、コストばかりかさみ、効果が目に見えにくいという欠点があったが、インターネットを使えば、コストは大幅に安くなる。また、そもそも自社のホームページにアクセスしてくるいわば「高関心者」を囲い込めるというメリットもあり、今後増加することが予想される形態である。いずれの方法にせよ、低コストでマーケティング情報が収集できるウェブの活用法が焦点になってきた。保険業界も、柔道や美術館やコンサート情報も結構だが、もっとマーケティング視点を導入した方が良さそうである。他業界との差が開くばかりであるからだ。 |
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