| 企業のマーケティング力を測定する10の尺度とは 保険毎日新聞:99.05(C2−18) |
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| ■最近は「老人力」という言葉が流行っている。早速これをもじって、「マーケティング力」という言葉を創作した。以下は企業のマーケティング力を示す10の尺度である。 | |
| 客観的に見て、金融サービス業界は「マーケティング力」という点では、異業種の後塵を拝している。マーケティングという概念はあるにはあるが、保険業界に関してはそれはほとんどが「流通チャネル政策」のことであり、また現状肯定的である。この流動的な時代におけるマーケティング力とは何か、10個の要素を上げてみた。 1)トップマネジメントがマーケティングを理解しているか;概して金融サービス業の場合は、トップの理解度は低い。大体営業で頑張って偉くなったような人が多いので、マーケティングとは営業のことだと思い込んでいる。最近では記者会見の席で「我が社のマーケティング力を強化するために、外資と提携した」といった言葉が飛び出し、トップがマーケティングを口にする時代がやってきたものだ、と感心したが、中身はかなりあやしい。トップが次の点を理解しているかどうかが、チェックポイントだ。 2)顧客志向のレベル;金融サービス業界はCSの理論には熱心だが、中身は希薄だ。顧客志向はスローガンやポスターとしては存在するが、仕組みとして成立していない。真の顧客志向に立脚するなら、例えば自動車保険の継続のあり方などは、全く違うものになるだろう。 3)開発力のレベル;ことメーカーの立場に立つなら、商品開発力こそマーケティング力の核である。保険業界も立場は同じはずで、メーカーであれば、その評価尺度が存在する。例えば年間の商品開発数、一定レベルの市場規模到達商品数といった要素である。 4)顧客情報ソースはあるか;顧客を仮にエンドユーザーと定義するなら、保険業界であれば、契約者および潜在顧客に関するマーケティング情報ソースの有無が問われることになる。例えばモニター組織、定期的なマーケティング調査の仕組み、定性的な顧客情報の分析担当者の存在、顧客クレームを開発情報に活用する仕組みの存在、といったことがポイントになるだろう。こうしたことは消費財のメーカーであれば、日常業務の中に組み入れられているが、それでも開発系のプロジェクトベースの顧客情報(新商品開発のためのマーケティング調査等)と、日常業務の中で得られる顧客情報(クレーム情報、お客様の声情報等)は分断されているケースが多い、。 5)顧客不満への感度;2)あるいは4)とだぶるが、マーケティング力の基本は顧客不満への感度である。この顧客不満は、網羅的かつ体系的に調査しないと出てこないことが多い。単なるCS調査では、都合の良い部分しかピックアップされないし、顧客も満足の表明に関しては、熱意がわかないものだ。 6)専門マーケッターの養成の有無;概して金融サービス業界の場合は、ジェネラリストの道が出世コースであることが多いが、ことマーケッターに関しては、その道のプロを養成すべきだ。特に開発系の業務に関しては、そのヒット率は、属人的能力(経験、センス・・)といったものに集約されてしまう。システムとしてのマーケティング技術も発達しているが、結局はそれを使いこなすのもマーケッターの能力次第ということになるからだ。 7)言語能力のレベル 8)敗者復活の可能性;商社、鉄鋼会社などもマーケティングには無縁の業界だが、バブル当時はしきりに「企業内起業家」などを持ち上げたものだ。いざ今振り返ると多くのケースではしごをはずされた結果に終わっている。敗者復活の仕組みも企業のマーケティング力の指標の1つだろう。 9)現状否定能力;こと金融サービス業界に関しては、現状肯定的な態度が保守本流である。今や車1つとってみても、所有率は増大するとは限らないし、今のチャネル政策は陳腐化の一途をたどっている。アメリカの成長企業のキーワードは「倫理的に正しくないことを除いては、一切の現状を否定する」ことだそうだが、例えば保険流通の仕組み1つ1つの否定から始める企業が出てきても良さそうなものだ。 10)ビジョンの有無;概してマーケティング力のない企業はビジョンもない(マーケティング学者から聞いた話だ)。リストラで名をはせた某流通業は、今ではトップの仕事は「ゲームをするから、個人のパソコンを取り上げろ」といった枝葉末節に至る指示と「とにかく朝から晩まで働け」という叱咤激励に終始しているという噂である。ビジョンはまるでなし。この売れない時代にトップが行うべき仕事ではないだろう。 |
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