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●モノがヒットするにはそれなりに理由がある。
「一目見て、否応なしに欲しくなる」
「持っていないと、ライフスタイルを共有できない」(仲間はずれを恐れる)
「全く異質な価値に魅力を覚える」
「商品コンセプトに共感を覚える」
といった具合である。
さて本書は乱暴に言えば人間のタイプを57の視点から類型化した本である。ベストセラーになった理由はまずは最後の理由、「共感」であろう。読みながらニヤニヤしてしまう。思わず知りあいの顔を思い浮かべ、「そうそう、あの人ってこれにぴったり」。多くの読者は始めはこういう読み方をしているはずだ。
「自分の弱さを利用する人」。そういえばいますね。こういう人が。最近では記者会見でオイオイ泣いた、会社をつぶしたトップが目に浮かぶ。「自分を重要に見せたがる人」「けっしてほめない人」「愚かさで支配する人」。こういう例は特に企業や組織、あるいは政財界で見つけるのに事欠かない。筆者の知りあいは、それぞれの節ごとに該当者の名前を書き入れていたほどである。
だが始めはニヤニヤしながら読んでいた読者も、次第に引き込まれていくだろう。ことは自分の問題にかかわってくるからだ。果たして自分は「危機を受け入れる人」「復活できる人」なのか。どう楽観的に考えても、今の日本はかなり「危機的」である。こうした時代背景の中で、我々は何かの手がかりと共感を求めているのだ。それは「人間の本質への洞察」でもある。本書の売れる理由はここにもある。(フランチェスコ・アルベーニ著、草思社1600円) |