デジタルコラム

デジタルエッチ

旬刊経理情報(98.10)


■ある地方都市に行ったら、自宅にISDNを引いて、インターネットのホームページを「ビュンビュン見ている」という男性に出会った。ここまではよくある話だが、お見受けするところ、お年はゆうに70は越えている。



「何を見ているのですか?」とたずねたら「決まっているじゃろ、エッチじゃ」ときっぱりしたお答え。「田舎ではこういうもんが必要なんじゃ」と力説され、妙に納得してしまった。何故地方でエッチものが必要なのかは今1つ不明であったが、シルバー世代にもインターネットは確実に普及している。「エッチじゃ」とキッパリ表明されるあたり、実にすがすがしい利用法ではある。

 インターネットは都会と地方の格差やギャップを確実に解消する。「エッチもの」を始め情報格差は解消するし、都会と地方を結びつける役割も大きい。

 日本で今もっともホームページに対する期待が大きい人たちの代表が、農家である。インターネットは何も都会の大企業の専有物ではないのだ。農業にとってインターネットのメリットは予想以上に大きい。何よりも消費者の声がわかる。普通の消費財であれば、メーカーは躍起となって消費者の声を吸収する努力をしているが、農産物は生産者と消費者が直結する仕組みがこれまでほとんどなかった。

 都会の消費者にとってもメリットが色々ある。大きな街のスーパーでは最近「有機野菜」「オーガニック食品」といったものが大はやりだ。 「○○さんの牧場で作った牛乳」といった売り方が流行っている。だが「○○さんがどうやって牛を育てているのか」といったことになると、実店舗での情報はあまりに少ない。ホームページを使えば、情報は好きなだけ発信できる。農産物の販売には最適なのだ。 農家の人は自分の作る野菜や米にこだわりを持っている。それを素直に伝えたホームページが人気を呼んでいる。消費者は「こんな顔をしたオヤジさんが、こうやってじゃがいもを作っているのか」ということを納得して購入する。結果的にそこから交流も始まり、生産者と消費者のパイプが生まれている。

 全国各地の農業者が手を組んだ「バーチャル八百屋」なども登場している。成育状況を逐一伝え購入予約を確保するなんて使い方もインターネットならではの利用法だ。
 従来の枠組みを超え、地方と都会がコミュニケーションのパイプを持ち始める。これは新しいデジタルライフの一側面でもある。


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